会長挨拶

 

日本胎児治療学会会長 

 村越 毅

聖隷浜松病院
産婦人科 部長

この度、第14回日本胎児治療学会学術集会を来る2016年11月18日(金)、19日(土)、20日(日)聖隷浜松病院にて開催する運びとなりました。

本学会は、胎児を一人の患者さんとして治療を行うという“Fetus As a Patient”の主旨の元に、産婦人科、新生児科、小児外科、麻酔科、小児循環器科、小児泌尿器科、小児脳神経外科など胎児の治療に関連する各科の医師・看護師のみならず基礎研究者や技術開発者など多部門の方々が参加し、自由に討論することで、胎児治療を取り巻く現況、診断技術、今後の予後の改善、新技術の開発、ならびに会員相互の理解と連携を図ることを目的としています。

本学会は聖隷浜松病院としては2回目の開催となります。2006年に第4回胎児治療学会学術集会を聖隷浜松病院麻酔科小久保荘太カ副院長が学術集会長としてアクトシティー浜松で開催し、ちょうど10年後の2016年に第14回の学術集会を聖隷浜松病院講堂で開催します。この10年間で胎児治療の技術も大きく発展し予後を劇的に改善した疾患もありますが、残念ながら遅々として進まない技術や分野も存在します。本学術集会のテーマを『胎児治療の最先端』『胎児治療における技術の伝承』とし、幹細胞移植や細胞シート、再生医療、人工子宮など今後期待される最先端の胎児治療と、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術や胎児胸腔羊水腔シャント術など確立された技術をいかに後進に伝えていくかを中心に討論を行いたいと思っています。

新しい試みとして学会前日である11月18日(金)に胎児治療のハンズオンセミナーとワークショップを開催する予定です。胎児臍帯輸血や胎児胸腔羊水腔シャントなどの技術の解説とファントムを使った実習を行うことで参加者が子宮内の胎児侵襲的手技のトレーニングが行える機会としたいと思います。また、超音波検査のライブデモも施行予定です。                                       

学会参加者にとって参加して良かったと心から思える学会を開催できるよう、張り切って準備を進めているところです。
皆様のご参加を心からお待ちしております。