会長挨拶






日本胎児治療学会会長 

川 鰭 市 郎

国立病院機構長良医療センター産科
   

 第7回に本胎児治療学会を開催させていただきます。開催にあたり、会長よりひとことご挨拶申し上げます。

 胎児治療は皆様方のご尽力のおかげでかなり認知されるようになってきました。とはいえ、まだまだ検証しなければならないことがたくさんあります。胎児治療学会はこの新しい医療について議論する場として、この数年間の間にいくつもの貴重な議論を交わしてきました。本来ならば10年をひとつの区切りとするべきかもしれませんが、進み方が早い胎児治療であるが故に少し前倒して振り返ってみるのもいいかと考えています。

 今回の胎児治療学会では「うまくいかなかった胎児治療」をテーマに考えてみたいと思います。胎児に対する治療は魔法ではありません。しっかりと施行できたとしても、すべての赤ちゃんが助かるわけではありませんが、技術的なことに限らず、倫理委員会で承認されなかった、患者家族の理解が得られなかった、上司に反対されたなどなど、さまざまな問題があるかと思います。それぞれの経験を持ち寄って、みんなで対策を考えてみる機会になればと願います。

もちろん症例報告や研究成果の発表も歓迎いたします。

 振り返りの一つとして、この学会の設立にあたりコアメンバーである千葉喜英先生に特別講演をお願いいたしました。タイトルは胎児は宇宙人、だれかがこの人たちの医療を考えなければいけません

 医療として胎児治療を行うにあたって、看護スタッフの理解も重要です。今回は看護師、助産師のみなさんの参加を募りたいと考えます。